白川紺子「下鴨アンティーク」を読みました [読書日記2016]
いつもの本屋さんでフェア棚に並んでいてふと手に
とった作品です。
面白かったので、シリーズ3作続けて読んでしまいました。
下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)
- 作者: 白川 紺子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/06/25
- メディア: 文庫
タイトルからもわかるとおり、お話の舞台は京都の下鴨です。
主人公は、早くに両親を亡くし、今は兄と下宿人の慧との三人暮らしの
高校生・野々宮鹿乃(かの)。
両親の代わりに育ててくれた祖母が遺したアンティークの着物を
休日に着るのが大好きという鹿乃。
その祖母から「開けてはいけない」と言われていた蔵を開けてしまった
ことで、その蔵に眠っていた着物や帯から不思議なことが起ります。
おばあちゃんがいろいろ訳ありのものを預かったり引き取ったりしていた
ようですね。
鹿乃ちゃんと慧(下宿人で大学の准教授)の微妙な距離感ややりとりも
テンポがよくていいですね。
いわゆるライトノベルですが、着物の知識や古典のこともちりばめられて
いますので、その点でも楽しめるかもしれません。
☆3~5冊目☆
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乙川優三郎「ロゴスの市」を読みました [読書日記2016]
「言葉が格闘する」「言語の海を漂う男と女」という
帯の惹句に文字通り惹かれて購入した本です。
2016年最初に読破した一冊。
古代ギリシャ語で「言葉・論理」などの意味を持つ「ロゴス」。
大学のサークルで出会った二人は、男性は翻訳、女性は同時通訳
の道へ進みます。
同じ「言葉」を扱う仕事に進んだ二人、性格は正反対ですが、
お互い魅かれあうものの、すれ違いなどもあり、つかず離れず。
そう、ある言語を他の言語に変換する、という同じように見える作業ですが、
翻訳に向く人と通訳に向く人っているんですよね。
(もちろんどちらもこなしていらっしゃる方も多いですけど)
物語は、翻訳家である男性・成川弘之の視点で語られていきます。
ここに出てくる二人の関係というのはすごく面白い、というか
独特の緊張感を感じますね。
弘之の視点から描かれる物語なので、相手の女性・戒能悠子には
当然別の物語があります。
できたら、弘之が知らない悠子の物語も読んでみたいなぁ。
あと、二人の学生時代の描写がとてもなつかしく感じました。
(年がわかっちゃうか・・・)
はじめて作品を手に取った作家の方ですが、他の作品も読んで
みたくなりました。
☆1冊目☆
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