乙川優三郎「ロゴスの市」を読みました [読書日記2016]
「言葉が格闘する」「言語の海を漂う男と女」という
帯の惹句に文字通り惹かれて購入した本です。
2016年最初に読破した一冊。
古代ギリシャ語で「言葉・論理」などの意味を持つ「ロゴス」。
大学のサークルで出会った二人は、男性は翻訳、女性は同時通訳
の道へ進みます。
同じ「言葉」を扱う仕事に進んだ二人、性格は正反対ですが、
お互い魅かれあうものの、すれ違いなどもあり、つかず離れず。
そう、ある言語を他の言語に変換する、という同じように見える作業ですが、
翻訳に向く人と通訳に向く人っているんですよね。
(もちろんどちらもこなしていらっしゃる方も多いですけど)
物語は、翻訳家である男性・成川弘之の視点で語られていきます。
ここに出てくる二人の関係というのはすごく面白い、というか
独特の緊張感を感じますね。
弘之の視点から描かれる物語なので、相手の女性・戒能悠子には
当然別の物語があります。
できたら、弘之が知らない悠子の物語も読んでみたいなぁ。
あと、二人の学生時代の描写がとてもなつかしく感じました。
(年がわかっちゃうか・・・)
はじめて作品を手に取った作家の方ですが、他の作品も読んで
みたくなりました。
☆1冊目☆
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